2018年秋冬に限定発売された、Supreme × Hohner Melodica がフリマサイトでお手頃価格で出品されていたので、思わず購入してしまいました。
アメリカのアパレルブランド シュプリームと、ドイツの楽器メーカー ホーナー社がコラボレーションしたメロディカです。
真っ白な本体に、おなじみの赤い「Supreme」ロゴが付いています。
鍵盤は黒鍵も含めて全て真っ白です。
出品ページには未使用と記載があったのですが、フリマサイトなのでそれなりの覚悟で購入。
一度人の手に渡っているものなので、どのみち分解して清掃して使おうという気持ちで商品の到着を待ちました。
商品が届いてすぐに感じたのは、何か匂う。
タバコ臭いかもしれないとは思っていたのですが、異臭ではなく芳香剤のような独特な香りがしていました。
箱を開封し、ケースからメロディカ本体を取り出すと、思っていたよりは綺麗な状態でした。
唄口も傷がなく、使った形跡がないのですが、とにかく匂う。というより香る。
一先ず唄口をキッチンハイターで除菌して、本体を解体することにしました。
ところが、背面のネジ8本を外したのに開かないのです。
開かないように接着されている仕様なのかと思い、同機種を新品で購入した方に尋ねたところ、特に問題なく簡単に開くとの事だったので、なんとかこじ開けてみました。
すると、何かの液体が乾いてしまったような物がこびりついていました。
よく見るとケースにも何かの液体が掛かった跡があります。
どうもこの何かが付着したであろう部分から香ります。
なんとなく、古着屋さんや雑貨屋さんのような香りです。
リードも綺麗なのに、やけに埃っぽく、唄口も使われた形跡がない。
もしかしたらこのメロディカはどこかのお店で展示されていて、ディフューザーか何かを被ったのかもしれない、と勝手にメロディカの生い立ちを想像してしまいました。
鍵盤ハーモニカとして生まれてきたのに鍵盤ハーモニカとして生きていないとは何事だと、これまた勝手に想像して私の清掃心に火がつきました。
本体のカバーを外して、手バンドなどの濡れてはまずいパーツも全て外して、本体カバーを食器用洗剤で洗います。
メロディカは初めて分解したのですが、メロディオンやピアニカと違い空気室カバーが別にはなく、本体カバーを外すとすぐリードプレートが剥き出しになります。
鍵盤の押さえも違和感を感じる部分があったので、全て外してカバー同様食器用洗剤で洗います。
白いので鍵盤をバラすと白鍵なのか黒鍵なのか一見わかりにくいですね。
平たい形が白鍵、立体的な形が黒鍵です。
以前の記事で、鍵盤裏に書いてあるアルファベットや数字の配列をメモしながら鍵盤を外して、その配列通りに再び装着する手順を紹介しました。
今回も同様に鍵盤裏のアルファベットと数字をメモしていきます。
白鍵は音階と同じアルファベットで並んでいますが、1つだけ「RC」と刻印された鍵盤がありました。
これは一番右側(Right)のド(C)、高音のCの鍵盤です。
黒鍵が隣り合わないので他のCの鍵盤と形が違います。
黒鍵の裏には1から8までの数字にnが付いていました。
今回の配列も規則性がなく、8種類もあるのがなかなか興味深いポイントです。
一通り、洗える部分の清掃が終わったので音出し。
高音側の音が出にくかったのでアゲミを調整して、鍵盤ハーモニカとして活躍できるようになりました。
試し弾きに、だいたい毎週参加している1フレーズのお題を演奏するSDチャレンジをやってみました。
ちなみに、鈴木楽器メロディオンの唄口と互換性があったので試し弾きはメロディオンのホースで演奏しています。
演奏した感想は、今まで使ってきた機種に比べるとサスティーンがかなり短い印象です。
自分の息に合わせてしっかりと切れるので、余韻を持たせるなら息でデクレッシェンドするのを忘れないようにしないと、と感じました。
逆に言えば強弱の差を自分の呼吸でリアルに表現できるのかなとも思いましたが。
この辺りはリードのアゲミ調整でも多少変化するとは思うので、いろんな曲で試していきたいと思います。
中古の鍵盤ハーモニカを購入したのは今回が初めてです。
実は他にも狙っているヴィンテージ楽器などがあるのですが、中古だとどうしても躊躇していました。
今回の一件でちょっとハードルが低くなったかもしれません。
同メーカーのMelodica Superforce37について、鍵盤の離鍵音が気になったので対処方法を書いています。