鍵盤ハーモニカ奏者ピアノニマスこと南川朱生さんが開発し、昨年の11月に販売された、鍵盤ハーモニカ専用ホースアタッチメント唄口パーツ「NE -鼠-」を発売と同時に予約購入しました。

詳しい使い方などはピアノニマスさんのYouTubeチャンネルで紹介されています。
届いてすぐに試奏したのですが、これがなんとも使いやすく、早くレビューしたかったものの、あれよあれよと年を越してしまいました。すみません。
ピアニカ用の試奏はピアニカ子と一緒にレビュー動画を撮影したのでよろしければご覧ください。
ホースへつける際の注意点や付け方、実際に演奏するとどんな感じなのかを紹介しています。
ちなみに動画の中で出てくるヤマハ ピアニカ演奏用ショートパイプはこちら
動画を見ていただけるとわかるのですが、口元の唄口がほとんど見えていないスマートな状態で演奏できています。
取り替えが出来る鈴木楽器製作所のメロディオン用唄口と並べると、吹き込む先端部分の差はあまりないのですが、それより下は幅も厚さも全く違う事がわかります。


そして、私が一番気に入っている部分は、唄口の先端側にたまりやすい水分の問題が解消される事。
メロディオン用には、ホースの付け根がホースよりも広く、ここに水滴が溜まりやすいのですが、「NE-鼠-」は角がない設計になっているので、演奏中に水分が唄口先端に溜まりにくい構造になっています。

写真のメロディオン用の唄口を見ていただけるとわかるかと思うのですが、私は今まで歯跡が付くほど噛み締めて固定していました。
ホースが飛んで行かないように前歯でしっかりと固定しているのですが、こうすると舌を使うフラッターを演奏途中でやろうと思うと、なかなかうまくいかず、なんならダブルタンギングですらやりにくいなと感じていました。
「NE-鼠-」は弱い力で噛んでも、唄口が吹き飛びにくくなっているので、舌や口の動きを使った奏法がとてもやりやすくなるなと感じました。
「NE-鼠-」の取り付けについてですが、本来はメロディオン用のホース唄口の先端部分を外して1段目の溝まで差し込んで取り付けます。(NE-鼠-紹介動画の使い方参照)
しかし、私はメロディオンのホースを半分に切って使っているので、きちんと入るか不安だったのですが、しっかりと奥まで差し込むと問題なく使えました。
空気が漏れない部分まで差し込んで使っています。

ちなみに、Hohner Melodicaのホース唄口も付け替えてみましたが、こちらはジョイント部分にどうしても隙間ができてしまいました。
「NE-鼠-」の紹介動画では、他社の唄口への装着の仕方も説明されていますが、基本的にはメロディオン用ホースの唄口のアタッチメントを想定されています。

Hohner Melodicaは鈴木楽器メロディオン用の唄口でも演奏が出来るので、併用しながら使っていきたいと思います。
使ってみて感じたのは、実際に鍵盤ハーモニカをいろんなシーンで演奏する当事者だからこそ作れる、こだわりの形と素材なんだと感じました。
すごくシンプルな物ですが、数ミリ違えば全く違う使い心地になるデリケートなアイテムでもあり、細部にわたって鍵盤ハーモニカの演奏のために考えられた商品なんだと使ってみるとわかります。
2024年6月19日に行われた「Dr.Melodica 来日ワークショップ&ジャムセッション 広島」では、マウスピースの問題をいろいろと話し合いました。
そこでDr.Melodicaから提案された解決方法が、この「NE -鼠-」をとにかく使う事でした。
純正マウスピースとの空気の流れ方の違いなどや、唄口の形状によって起こる問題などを詳しく書いているのでよかったら参考にしてください。
限定で予約販売のみだったため手にされた方は限られると思いますが、「NE-鼠-」で自分の演奏を最大限に引き出して鍵盤ハーモニカ演奏を楽しめる方が増えたらと思っております。