エレアコ鍵盤ハーモニカHAMMOND PRO-44Hの唾液抜きレバーが割れてしまったので、メーカーの鈴木楽器製作所よりパーツを取り寄せて、自分で交換してみました。
パーツの取り寄せや参考価格については以前の記事でご紹介しています。
修理に必要なパーツ
取り寄せたパーツがこの3つ。
唾液抜きボタン、唾液抜きボタン軸、バネ。
バネは鍵盤バネと同じなので、スペアを常備されている方や、SUZUKI メロディオン修理工具セット(MRT-01)をお持ちの方はセットされているバネが使えます。
鍵盤ハーモニカの分解
HAMMOND PRO-44Hの唾液抜きレバーを交換するには、本体カバーと内部カバーと高音側のサイドカバーを外す必要があります。
ちょっとしたパーツなのに付け替える時には大掛かりな分解作業です。
交換作業にあると便利な道具
- プラスドライバー (No.1 細軸タイプ)
- ジッパー袋 3つ (ネジ保管用の小さなサイズ)
- ラジオペンチ (手芸用のような先が細いもの)
- トンカチ (あると便利)
HAMMOND PRO-44Hは、外側から見える本体カバーだけでもネジが6箇所あり、内部カバーとは別のネジになるので、なくさないように外す度に小さなジッパー袋に種類別に小分けして保管する事をおすすめします。
ドライバーはSUZUKI メロディオン修理工具セット(MRT-01)に入っているベッセル(VESSEL) クッションドライバーNo.610 +1X75がピッタリなんですが、他のドライバーで用意するなら羽先がNo.1という細軸タイプのプラスドライバーを用意してください。
ネジ穴がわりと柔らかいので、サイズの違う羽先のドライバーで回してまうと、ネジ穴が潰れてしまう事があります。
ラジオペンチはバネを外したり付けたりする作業に使うので、ニッパのように切断する機能はなくて良いです。
手芸用の先が細いものが作業しやすいです。
鍵盤ハーモニカの分解作業
まずは、サイドカバー(高音側)についているストラップピンを外します。
これを外さないとサイドカバーが外せません。
ストラップピンは、ネジとワッシャー(座金)で留まっているので、外した際にはパーツを無くさないように気をつけてください。
小さいジッパー袋に入れて保管すると便利です。
次に本体カバーを外していきます。
ネジを回して外す際は、しっかりと下(ネジ側)の方向へ力を入れて反時計回りに回して行ってください。
上へあげようという感覚で回してしまうので、力が入りきらず回してしまうことがあるのですが、これもネジ穴を潰す原因になってしまいます。
ネジ穴とドライバーの先をしっかりとはめ込むような感覚で回すのがコツです。
本体カバーが外れたら、その中にある黒い内部カバーも外します。
ネジは5箇所です。
内部カバーを外すとリードプレートが出てきます。
リードは鍵盤ハーモニカの音を鳴らすのに大事な部分です。
今回はサイドカバーを外すために内部カバーを外しましたが、唾液抜きレバーの交換作業には本体側は外してサイドカバーのみで作業するので、リードを破損しないように注意しながら作業と保管をしてください。
唾液抜きレバーの付け替え
ここまで分解すると高音側のサイドカバーはすぐに外せます。
高音側のサイドカバーにはピックアップマイクが内蔵されています。
中央にバネで固定されているのが唾液抜きレバーです。
このバネをラジオペンチで外します。
バネを取り外すと、唾液抜きレバーは軸で外側に固定されているので、軸を取り外します。
しっかりと固定されているので、ラジオペンチやマイナスドライバーなどを当ててトンカチなどで叩くと早く外れます。
私の場合は唾液抜きレバーが上下に割れていたので、つまめる部分や叩く場所が少なく外すのに苦労しました。
ここは力技だけなので、とにかく頑張ってください。
唾液抜きレバーが外れたら、今度は新しい唾液抜きレバーを先ほどの手順と逆に付けていくだけです。
唾液抜きレバーに軸をセットして、軸が付いていたポケット部分に上からはめ込みます。
軸がセットできたら、これでもかというぐらいポケットの中へ押し込んでください。
先ほど取り外すのに苦労したくらいグッグッとドライバーなどを使って押し込んでいきます。
ここのセットが甘いと、装着後に軸だけが外れて飛んで行ってしまいます。
実際、演奏中に外れて唾液抜きレバーの噛みが甘くなりました。
唾液抜きレバーが割れていなくても、レバーの噛みが甘いなと思われたら、唾液抜きボタン軸の紛失を疑ってみてください。
軸がポケットから見えないくらいに押し込めたら、次は逆側からバネをラジオペンチを使って装着していきます。
先に唾液抜きレバー側へバネを引っ掛けて、次にサイドカバー側へ引っ掛けます。
軸の装着時にバネもレバーへ引っ掛けておけば、とも思ったのですが、すぐに外れてしまうのでこのタイミングが良いと思います。
唾液抜きレバーの装着が終わったら、サイドカバーを本体へはめ込み、内部カバーをネジで留め、本体カバーをネジで留め、ストラップピンを留めて作業完了です。
見ての通り作業工程がたくさんあり、細かな作業もあります。
セルフで修理すると低価格と短時間で済みますが、分解が苦手な方は楽器店へご相談ください。