6月19日に行われた「Dr.Melodica 来日ワークショップ&ジャムセッション 広島」の中で、参加者さんから質問のあった「循環呼吸は誰でもできるのか?」という議題。
当日のワークショップではDr.MelodicaことDavid Brancazio デイヴィッド ブランカズィオ氏のデモンストレーションと簡単な解説があったのですが、ワークショップとまではいかなかったので、後日ドクターから「Circular Breathing on Melodica(鍵盤ハーモニカによる循環呼吸)」という資料が送られてきました。
この記事では、動画では紹介しきれなかった循環呼吸のポイントや気づきなどを紹介しています。
循環呼吸がやりたいけど、コツがなかな掴めずにどうしていいかわからない方など、なにかの参考になれば幸いです。
Dr.Melodicaの循環呼吸エクササイズを実践
ドクターから届いた資料の中には、英語テキスト、日本語訳テキスト、循環呼吸の仕組みをアニメーションにした解説付き動画があり、テキストは仕組みとエクササイズを順序立てて丁寧に書いてありました。
この循環呼吸エクササイズを実際にやってみて動画にしてほしいとドクターから相談があったので、ピアニカ子と、循環呼吸の質問をいただいた参加者のニカ美さんと一緒にエクササイズに挑戦してみました。
Exercise 1 : 口呼吸と鼻呼吸の切り替えを掴む
まずは口から普通に息を吸ったり吐いたりします。
口で呼吸をしながら、舌の付け根を口の天井に触れてください。
すると、空気が鼻からだけ出入りするようになります。
舌を口呼吸と鼻呼吸のスイッチとして使う練習をしましょう。
英語の発音記号で言うところの[ŋ]の発音。
日本ではあまり馴染みがないように思えますが、日本語ではカ行・ガ行の前の撥音「ん」に現れる時の舌の動きです。
動画内で説明している「アンガールズ」の「ンガ」や、「んがぐぐ」など。
Exercise 2 : 鼻で息を吸っている間に口腔から空気を出してみる
舌の付け根を口の天井に触れたまま、鼻から普通に息を吸ったり吐いたりしながら、唇をすぼめて口腔(口の中)から空気を押し出してみましょう。
これが動画内でピアニカ子が発見したポイントの「金魚」の口の動きです。
金魚の他には、風船を膨らませる際の一番最初に空気を入れる時の口の動き、または歯磨きの際に口をゆすぐ時の口の動きで練習してみてください。
Exercise 3 : 水を使って循環呼吸ができているか可視化する
水を入れたコップやペットボトルに、ストローまたは鍵盤ハーモニカのホース唄口を刺し、口に咥えてストローから水に向かって息を吐き出します。
水がブクブクと泡立つのを確認したら、Exercise 2で実践した「鼻で呼吸しながら口腔の空気を押し出す」動作をストローを加えたままやってみましょう。
泡が途切れなくブクブクと続いていたら循環呼吸が出来ている証拠です。
Exercise 4 : 自然にできるようになるまで「ながら練習」
Exercise 3での水を使った練習を、毎日続けて数分間練習することをDr.メロディカは推奨しています。
私はこの練習に長い時間を費やした!
自然にできるようになるまで続けることをお勧めする!
テレビを見ながらでも、パソコンをしながらでも、本を読みながらでも、窓の外を眺めながらでも、何でもいい。
毎日数分間、1~2 週間続けることをお勧めする。
私は細長いチューブを見つけ、それを大きめの容器に通して、仕事中にハンズフリーで練習できるようにした。
Exercise 5 : 鍵盤ハーモニカで循環呼吸をやってみよう
ここまでのエクササイズが出来たら、実際に楽器で音を鳴らしてみましょう。
- まずは高い音を続けて鳴らしてみる。
- 次に低い音でやってみる。高い音を鳴らすより空気がたくさん必要です。
- 循環呼吸をしながら、とても簡単なメロディーを弾いてみましょう。
- 循環呼吸をしながら、より複雑なメロディーを弾いてみましょう。
循環呼吸のポイントは舌の位置と頬の動き
私はタバコを吸わないので、ピアニカ子が発見した「金魚」がイマイチピンと来ず、よくわからなかったのですが、後日ピアニカ子から「歯磨き後の口をゆすぐ動きにも似ている」というメッセージをもらい、ここでようやく鼻で息を吸いながら口から空気を出す動作ができるようになりました。
口の中に何もない(水を含まない)状態で、口をゆすぐ真似をしてみてください。
その際に、自然と舌が口の奥を塞ぐ形になっていると思います。
そして、口をゆすぐ真似をしながら鼻呼吸をしてみてください。
このまま鼻でずっと呼吸ができるようになったら、今度は唇を「ウ」の形で少しだけ開いて空気を押し出してみてください。
これが出来たら、鼻で息を吸うのと、口から空気を押し出すのを同時にやるだけです。
この動作で、動画内でピアニカ子がやっていた金魚と同じ口の動きができます。
問題なのは「みやすげ」にやることです。
いわゆるスムーズに循環呼吸を行う事。
この動作は出来ているものの、水を使って泡の出方を確認すると、息継ぎほどではないものの、一瞬泡の量が少なくなってしまいます。
ここがExercise 4の「毎日数分間、1~2 週間続けることをお勧めする。」というのが大事になるポイントだと思います。
あとは練習するのみ。
循環呼吸のコツがなかなか掴めずにいた方、何かの参考になれば幸いです。