ついにルーパーに手を出してしまいました。
悩みに悩んだ末に選んだのは、イギリスのシンガーソングライター Ed Sheeran(エド・シーラン)が立ち上げたルーパーブランド「Sheeran Looper(シーラン・ルーパー)」のデュアルトラック・ルーパー・ペダル「LOOPER+」
トラック数は2つで4つのルーパーモードがあり、ルーパー初心者の私には充分すぎる機能。
サイズはW21.6cm×D15.8cm(H7.6cm)とわりとコンパクトな上に、単三電池4本で駆動するスマートなルーパーペダルです。
重量は約1.7kgなので見た目よりも重い印象ですが、蹴っ飛ばす心配のない安定感のある重さかなと思います。
コンパクトボディなのにレビューする箇所がたくさんあって、情報量が多めになっておりますので、目次から目的の部分を選んでご覧くださいませ。
鍵ハモ界隈の方はをぜひご参考に。
Sheeran Looper+ 付属品
パッケージを開けると本体の他に、取り扱い説明書、アルカリ単3電池×4本、5ピン(MIDI)-1/8インチアダプターが付属していました。


日本語の説明書と日本の電池が入ってた
私が購入したのはイケベ楽器。
日本の楽器店から購入したからか、日本語の説明書1枚と、パナソニックの電池が付属していました。
電池については、イケベ楽器やサウンドハウスは「単4電池」と記載されているのですが、正しくは単3電池4本で駆動です。
4つのルーパーモードを徹底解説
Sheeran Looper+には、4つのルーパーモードが搭載されています。
ルーパーモードの使い分けや実際の使い方などは、Kaz TadaさんがYouTubeで詳しく解説さています。
この動画がすごくわかりやすくて、説明書を読みながらやるより、動画を見ながら一緒に触るとわかりやすかったのでリンクしておきます。
購入前にも何度も見ていた動画です。
この記事の作成でも、かなり参考にさせていただきました。
Single(シングル) 1トラック とにかくオーバーダビングしていく
最初に録音した音源に同じ長さで無制限に録り重ねが出来るシンプルなルーピング機能です。
基本はどんどん重ねていくだけですが、シーランルーパーには、Undo(元に戻す)・Redo(やり直し)の機能がついているので、うまく使うとこれだけでも充分楽しめます。
デフォルトではPlay+Recordペダルの長押しでUndo、再度同じペダルの長押しでRedoが出来ます。
しかし、UndoもRedoも同じアクションに振られているので、Undoし続けることはできないんですよね。
外部ペダルやMIDIでコントロールできるのかな?とも思っていたのですが、そもそもにアクションが「Undo/Redo」として割り当てられているので無理そうです。
Multi(マルチ) 2トラック 同じ長さでグループ分けできる
AとBの2つのトラックに同じ長さでグループ分けして録音・再生できるモードです。
最初はAでオーバーダビング・再生しながら、Bに切り替えて同じ長さで別の音源を録音してBでオーバーダビングを開始する事ができます。
Solo機能でどちらかをミュートする事ができるので、Aだけ再生・Bだけ再生・ABどちらも再生といった演奏ができます。
切り替えは何度でもできて、その後もオーバーダビングにすれば無制限に音を重ねられるので、かなり演奏の幅が広がります。
Sync(シンク) 2トラック 違う長さのダビングが可能
AとBの2つのトラックに録音・再生できるモードで、AとBは違う長さでグループ分けができます。
ただし、最初に録音したトラックの長さの倍数か分数で次のトラックに録音されます。
例えば、最初のトラック(A)が2小節のリズムトラックなら、2番目のトラック(B)は1小節、2小節、4小節のフレーズが録音できます。
ということは、最初のトラックよりも長いフレーズが録音できるので、曲の構成や演出としてはかなり効果的に使えるモードだと思います。
私はこのモードが使えるのも購入する要因になりました。
多重録音も使っているのでオールルーパーではないのですが前半でこのモードの使い方がわかります。
Song(ソング) 2トラック AメロBメロのように独立したグループを作成
AとBの2つの独立したループを録音・再生できますが、AとBを同時にプレーすることはできません。
トラックAの再生中にトラックBに切り替えて、録音ペダルを押すとAの再生が止まってBの録音が始まります。
AメロBメロのようにコード進行が異なるループを作りたい時や、曲の途中で4拍子から3拍子に変えたい時などに使えるモードです。
ルーピングに便利な機能
Sheeran Looper+には基本のルーパーモードに加えて、フットスイッチのカスタマイズ機能やエフェクト機能が備わっています。
LogicメニューでRecord→Dub→Playの順番を変更
デフォルトではRECORD + PLAYペダルを踏むたびに、Record(録音)→Dub(オーバーダブ)→Play(再生)の順にプログラムされていますが、エンコーダーからLogicメニューを選んで動作の順番を変える事ができます。
ボイスパーカッションなどは最初のベースになる録音からすぐにオーバーダブに入る方がやりやすいかもしれませんが、楽器の持ち替えをする演奏形態だと先に再生を挟む方がやりやすいですよね。
フェードイン・フェードアウト・ハーフスピード・リバース機能
ルーパー以外のエフェクト機能としてはフェード・スピード・リバースの機能が付いています。
オーストラリアの楽器店 Mannys MusicのYouTubeでデモ演奏が紹介されています。
マイク入力と楽器入力、オーディオ出力について
Sheeran Looper+のインプットはコンボジャック1つと標準ジャックがステレオペアで備わっているので、マイクと楽器を同時に接続する事ができます。
コンボジャックにはマイクでよく使うキャノン(XLR)と楽器用シールドでよくみる標準ジャックのどちらもが接続できます。
オーディオ出力は標準ジャックのステレオペア。
またオーディオインターフェイスも備わっているのでUSB(Type-Bポート)での入出力も可能。
入出力数は、2 in / 2 outです。

小さいボディのワリに至れり尽くせり感がありますね。
歌と楽器でルーピングする気満々のリアパネルです。
エレアコ鍵盤ハーモニカ HAMMOND Pro44Hの接続について
メインで接続することになるであろう、エレアコ鍵ハモ HAMMOND Pro44Hはどこに接続すれば良いのか?なんですが、楽器単体でループ演奏するならコンボジャックに標準プラグで接続するのが良かったです。
というのも、コンボジャックに接続した時と、標準ジャックのモノラル1つに接続した時だと音のレベルが全く違っていて、標準ジャック側はツマミをフルに回してやっとレベルランプがつく感じでした。
Pro44Hのピックアップは元々に出力が弱いのでシールドで接続する場合はプリアンプを使った方が良いかもしれません。
参考記事ではプリアンプを繋ぐ場合、鍵ハモ → エフェクター → プリアンプの順に繋ぐ説明をしていますが、ルーパーの場合は出来上がった音を録音するので、鍵ハモ → プリアンプ → ルーパー の順が良いと思います。
他のエフェクターを使う場合は 鍵ハモ → エフェクター → プリアンプ→ ルーパーになりますが、エフェクターの種類や作りたい音によって繋ぎ順は変わってきます。
全く聞こえないわけではないので、Pro44Hがメインではなくキャノンで繋ぐマイクがメインになる場合は、標準ジャックにシールドで繋いでもバランス的には良いかもしれませんが、環境によります。
ライブになると聞こえ方が変わったりもするので、使うシーンに合わせて試してもらうと良いかなと思います。
ちなみに私のPro44Hは初代なのでv2のピックアップでは試していません。
DAW派に嬉しい オーディオインターフェイス搭載
USB オーディオインターフェイスが搭載されているのでDAW派の私にはかなり助かります。
マルチエフェクターで有名なHeadRush®のカスタムDSPを搭載しているので音質もかなり良いです。
ちなみにUSBポートはType-Bです。
最近ではあんまり見かけないですがオーディオ機器やプリンターなどを繋ぐときによく見かける四角い形のUSBですね。
USBケーブルはなぜか家のどこかしらに溜まっていくアイテムですが、オーディオ機器に使うとノイズが乗ることが多かったので、USBケーブルはオーディオ用を新調しました。
電源仕様 サイトで記載のバラツキがあるので注意
電源仕様については各販売サイトで記載が違っていたり足りなかったりで色々あるので、ここでしっかりとまとめておきます。

単3電池4本 アルカリ電池が付属
先にも書いた通り、電池については一部サイトで「単4電池」と記載されているのですが、正しくは単3電池4本で駆動です。
本体の電池ボックスを確認すると"AA"(単三系)の表記がありました。

「単4電池」の記載があったイケベ楽器で購入しても「単3電池」が付属していたので大丈夫です。
届いてすぐに使えます。
電池の連続駆動時間は電池種類や使用状況にもよりますが、6時間以上なのでライブでも充分使えます。
しかもコンビニなどでも手に入りやすい単三電池なのが助かりますね。
アダプター 9VDC500mA 別売り
DCアダプターでの駆動も可能。
こちらは別売りですが、エフェクター類でわりとよく使われる「DC9V 500mAセンターマイナス」なので、案外機材と一緒に眠っている可能性もあります。
うちも探してみたらメロディピアノでお世話になっているキョーリツさんのアダプタがあったのでそれを使っています。
USB駆動も可能 ケーブルは別売り
なんとUSBでも駆動可能。
実はこの記事を書き始めてサウンドハウスの商品ページに「USB電源入力駆動可能」の文字を見つけて初めて知りました。
よく見たらイケベ楽器の商品ページにもにも「USB電源入力:駆動可能(ループ転送に最適)」の文字があった。
しかし公式の説明ページには記載がなく、半信半疑で繋げてみたら電源が入りました。
これまでMacに接続する際はDCアダプターに繋げた上でUSB接続していたのに、アダプター実はいらんかったんです。
これはかなり使いやすい!
ちなみにファンタム電源供給はなし
Sheeran Looper+にはファンタム電源が内蔵されていないので、コンデンサーマイクなど電源が必要なマイクは別途電源供給ができる外部機器が必要です。
ライブで使う場合はほぼダイナミックマイクの使用が想定されるので、この辺りは省かれたのかなーと思っています。
ビジュ買いしたアルミダイキャスト製ペダル大当たり
Sheeran Looper+を購入するきっかけは「これが一番踏みやすそう!」という、ほとんどビジュ買いの勢いだったんですが、結果は大当たり。
アルミダイキャスト製ペダルは適度な広さがあるので踏み外しが少ないし、踏み込んだ時の音があまりしないので余計な雑音にならず録音などをする際にも使いやすいです。
ルーパーを含め、多くのエフェクターでよく見かけるのが小さくてカチカチ鳴るタイプのフットスイチ。
不慣れな私はこのタイプのフットスイッチをよく踏み外すし踏んだと思って踏めてないことがあるんですよね。
小さなフットスイッチの上に被せるフットスイッチハットっていう便利なアタッチメントパーツもあるみたいなんですが。
Looper+のフットフイッチ 実は3つある
アルミペダルが2つなので、スイッチも2つかと思っていたのですが、実は左上のナビゲーションホイール(エンコーダー)もスイッチとして機能します。
このスイッチはASSIGNメニューで任意のコマンドを割り当てることができます。
ただ、メインのフットスイッチの上にあるので踏み間違えやすそうという点と、なんとなく踏んづけるのに忍びない素材なので、アクティブに使用しにくいなーという印象です。
外部フットスイッチの接続も可能
ペダルの操作はアルミペダルも含め、「一度押す」「素早く二度押す」「長押しする」の3タイプで操作が出来るのですが、演奏中にトラックの切り替えをする為に「素早く二度押す」の操作はなかなか難しいです。
間違えてストップする可能性もあるので、2トラックでループ演奏する場合はフットスイッチを増やすと使いやすくなります。
実際に、SyncモードでAからBへの切り替えを行おうとして、左と右を踏み間違えて音が止まってしまいました。

EXT FSポートに6.35mmフォーンプラグのペダルスイッチが接続できるので、プレイスタイルによってコマンドを割り当てるのがおすすめです。
フットスイッチのセッティングはASSIGNメニューから行えます。
シングルはTS デュアルはTRSケーブル接続
Amazonの商品ページには外部フットスイッチ入力の項目に「TSまたはTRS」と記載されているんですが、同梱されていた説明書には「フットスイッチ(1/4” TRS)」のみの記載。
これもエフェクターに疎い私にはかなり困惑したのですが、どうやらシングルスイッチはTSケーブルで接続、デュアル(マルチ)スイッチはTRSケーブル接続が必要ということみたいです。

シングルの場合はアンラッチ(モメンタリー)タイプのペダルが使えるので、キーボードや電子ピアノでよく使うペダルスイッチが接続でき、スイッチを1つ増やすならこの辺りでも充分だと思います。
マルチスイッチも接続可能なんですが、実際に使えるのはデュアル(2つ)までのようで、3つ目以降は機能しないようです。
Sheeran Looper+をYouTubeで詳しく解説されているKazさんが、TRSケーブルで繋ぐ事ができるおすすめのデュアルフットスイッチをショート動画で紹介されていました。
小さいフットスイッチなので、先ほど紹介したフットスイッチハットと併用すると使いやすそうです。
外部MIDI機器でのコントロールも可能
MIDI INポートに3.5mmミニプラグで外部MIDIコントローラーを接続する事ができます。
先に紹介した同梱物にある5ピンのMIDIアダプターを使って接続ができます。
もしくはUSBポートからも接続が可能です。

セッティングはMIDIメニューから行えます。
Sheeran Looper+はメトロノーム機能は付いていないのですが、MIDI Clockレシーブを使ってドラムマシーンなどのMIDI機器のテンポに同期する事ができます。
MIDI機能を駆使すれば、かなり複雑な操作もできる仕様のようです。
コンパクトでシンプルな操作が基本なので初心者の私にも使いやすいルーパーですが、上級者でも使える機能で購入した甲斐がありました。
上位機種「LOOPER X」は日本では発売未定
Sheeran Looperブランドには、LOOPER+の上位機種「LOOPER X」の展開もあるのですが、こちらは日本では発売未定。
エド・シーラン本人がLOOPER Xでパフォーマンスしている動画がYouTubeで公開されています。
さらにポータブルPAスピーカー「The Sheeran Busker」も発売に。
こちらも日本の代理店では現在取り扱いがないようです。
上記2つは並行輸入などで購入できるようなのですが、LOOPER+同様に日本でも手軽に購入できるようになると嬉しいアイテムですよね。
一先ずルーパーを使ってのルーピングは初心者なのでLOOPER+でいろいろと遊びながら演奏スタイルを増やしたいなと思っています。














